かつてロックスターといえば、欧米人のようなスラリとした長身、長い手足が条件のように語られた時代があった。しかしHYDEが成し遂げたのは、そうしたステレオタイプの完全なる解体だ。
自らのサイズ感を否定せず、むしろそれを唯一無二のダークファンタジー、ゴシックな美学へと転換してみせた。小柄だからこそ出せる身軽なアクション、退廃的な美青年像から円熟味を増した現在の獰猛なカリスマ像に至るまで、彼は常に自らの肉体を最高の「楽器」として使い倒してきた。低身長であることを言い訳にせず、むしろ武器に変えて世界と対峙してきた彼の生き様は、同じような体躯に悩む多くの表現者たちにとってどれほどの福音となったか計り知れない。