「七転八倒」という言葉を体現する痛みの代表格が「尿路結石症」だ。腎臓で形成された結石が尿管へ下降し、狭小部に引っかかることで尿の流れが滞り、腎内圧が急上昇して発症する。その痛みは突然襲いかかり、右の脇腹から腰、さらには下腹部や外陰部へと放散していく。血尿を伴うことが多いが、肉眼では確認できず顕微鏡レベルの潜血にとどまるケースもあるため自己判断は禁物だ。
これに対し、骨や靭帯、筋膜に起因する代表的な疾患が「筋筋膜性腰痛症」と「坐骨神経痛」である。長時間の不自然な姿勢や過度な負荷で筋肉を包む膜が炎症を起こす筋筋膜性腰痛症では、患部を押すと明確な圧痛点が存在し、温熱療法やストレッチで症状が軽快しやすい。また、腰椎椎間板ヘルニアなどに起因する坐骨神経痛は、腰だけでなく臀部から太ももの裏、ふくらはぎ、足先へと電気が走るような放散痛やしびれを伴うのが特徴だ。痛みが脚に抜けるのか、内臓の奥深くに留まるのか。この走行の違いが鑑別の決定打となる。