SNSや育児コミュニティでは、「1歳6か月健診のデンバー式で積み木ができず要観察になった」「指差しを拒否して再検査と言われ絶望した」といった切実な声が後を絶ちません。しかし、臨床現場のデータや保健師の証言を検証すると、健診で生じる「遅れ」には発達障害以外の要因が極めて多く絡んでいることが分かります。
発達検査で遅れが出る主な現場要因
検査当日の数値が基準を下回る背景には、以下のような環境的・心理的理由が頻繁に見られます。
- 場所見知り・人見知りと過度な緊張:普段と異なる保健センターの診察室や白衣の医師に対し、強い警戒心を抱いて「全課題を拒否(R)」するケース。
- 睡眠不足や空腹による不機嫌:午後の健診時間と子どもの昼寝・授乳リズムが重なり、パフォーマンスが著しく低下している状態。
- 経験・練習不足(生活習慣):「クレヨンを握ったことがない」「ボタン付きの服を着たことがない」など、能力の問題ではなく単に環境的な経験がない項目。
- 早産児の修正月齢未適用:予定日より早く生まれた場合、実年齢(暦年齢)ではなく予定日からの「修正月齢」で線を引かないと、見かけ上の遅れが生じる。
自治体の保健師は「健診における要観察判定の約半数以上は、1〜3か月後の再面談や家庭での様子確認によって標準的な発達ペースであることが確認される」と説明します。一時点のスナップショットで子どもの能力すべてを断定することは現場でも行われていません。