加茂町を語る上で外せないのが、全国から参拝者が絶えない「サムハラ神社奥の院」の存在だ。金比羅山の小高い木立の中にひっそりと鎮座するこの場所は、近年、強力なパワースポットとして知られるようになった。しかし、観光地化による俗っぽさは微塵もない。
鬱蒼と茂る木々が風に揺れ、梢の間から木漏れ日が降り注ぐ。足を踏み入れると、肌を刺すような冷気とともに張り詰めた静寂が迎えてくれる。町を訪れる人々は、この圧倒的な自然の気配と、何百年も変わらず受け継がれてきた土地の祈りに惹きつけられているのだ。ブームに流されることなく、守るべき神域の静寂を保ち続ける地元保存会の地道な維持管理が、この地の品格を今も支えている。