彼の真骨頂は、「独学と圧倒的な努力」によってまったく異なるジャンルのプロへと登り詰める点にある。33歳の時にプロボクサーのライセンスを取得したニュースは、当時の芸能界に激震を与えた。多忙を極めるタレント活動の合間を縫い、ハードな減量とロードワークを完遂したのだ。
ボクシング引退後、彼の情熱は芸術へと向かう。絵の具と筆を握り、椿や金魚、地蔵などをモチーフにした日本画を次々と発表。個展を開けば連日大盛況となり、その独特の繊細なタッチと力強い書は専門家からも高く評価された。
ひとつのジャンルで成功を収めた人間が、過去の実績をすべて捨ててゼロから新しい分野に挑む。このストイックすぎる表現者としての執念こそが、彼の人生を貫く一本の太い軸なのだ。