計量スプーンは大さじが15ml、小さじが5mlという「体積(容積)」を測る道具です。そのため、スプーンですくい取った物質の密度(かさ比重)によって、実際のグラム数は大きく変動します。
日本で親しまれている上白糖は、製造工程の仕上げに「転化糖液(ショ糖をブドウ糖と果糖に分解した糖液)」を表面に吹き付けています。この転化糖が水分を抱え込むため、しっとりとした特有の質感を生み出します。粒子同士が適度にくっつき合い、スプーンですくった際に内部に目に見えない微細な空気の隙間を多く抱え込みます。その結果、見かけの体積に対して質量が軽くなり、15mlの枠内に収まる重さはわずか約9gにとどまります。
対照的にグラニュー糖は、純度の高いショ糖結晶そのものであり、転化糖液が吹き付けられていません。結晶が硬くサラサラと流動するため、スプーンの中で粒子同士が隙間なく規則的に詰まります。空気の層が極めて少なくなるため、同じ15mlの体積であっても約12〜13gという重さになります。
なお、大さじと小さじの違いは単純な3倍の比率(大さじ15ml ÷ 小さじ5ml = 3倍)ですが、砂糖のような粉体を小さじですくう際は、スプーンの縁の曲率によって圧縮率が微妙に変化します。精密な計量が求められる製菓においては、小さじを何度も重ねるよりも、大さじを基準に端数を小さじで微調整する測り方が誤差を抑える鉄則です。