古川のもう一つの顔、それが東北有数の歓楽街・飲食街を擁する「台町(だいまち)」周辺を中心としたナイトシーンである。新幹線停車駅であり、製鉄・製造業や広域行政の拠点が集まる土地柄、夜の接待や宴席の需要が根強く存在する。その結果として、古川駅周辺ラーメン深夜のマーケットには、昼の行列店とはまったく異なる独自の生態系が成立した。
夜22時を過ぎ、居酒屋やスナックの暖簾をくぐった人々が最後に吸い寄せられるのが、古川ラーメン穴場と隠れた名店として機能する夜営業のラーメン店や大衆中華だ。あっさりとした塩味のワンタンメン、ピリ辛のネギラーメン、あるいは飲酒後の身体が求める塩分とニンニクを効かせた味噌ラーメンなど、アルコールで鈍った舌を覚醒させる一杯が深夜の胃袋を満たしている。
昼間は観光客やラーメンマニアで賑わう駅前通りも、深夜には地元のサラリーマンや飲食業の従事者が集うローカルな社交場へと表情を変える。歓楽街の熱気と哀愁が交錯する中で啜る深夜のラーメンには、昼間の行列店で味わうストイックなグルメ体験とはまた異なる、深い情緒と満足感が宿っている。