彼女のパブリックイメージを決定づけ、お茶の間の空気を一変させた金字塔といえば『ホタルノヒカリ』シリーズを外すことはできない。職場では完璧に振る舞いながら、家ではジャージ姿でビールをあおる「干物女」雨宮蛍の姿は、当時の働く女性たちに爆発的な共感を呼んだ。
完璧なヒロイン像をかなぐり捨て、無防備な生活感をユーモアたっぷりに演じきった度胸。コメディエンヌとしての天才的な間合いと、どこか憎めない愛嬌の配合バランスは、彼女にしか成立させられない領域だった。この作品によって、彼女は「憧れの女優」であると同時に「私たちの代弁者」としての確固たるポジションを手に入れたのである。