ハードウェアのイノベーションも棒の存在意義を根底から揺さぶった。手のひらサイズの超小型AIドローンや、日常生活に溶け込む軽量スマートグラスの爆発的な普及だ。
重量わずか数テングラムのフライングカメラは、手の平からフワリと飛び立ち、被写体である自分を自動認識してパーソナルカメラマンのように並走する。高精細な4K映像を揺れなく撮影し、終われば再び手元へと戻ってくる。一方で、メガネ型のウェアラブル端末は、自分が目にした感動的な瞬間を完全にハンズフリーで記録することを可能にした。視界を遮り、片手を塞ぎ続ける金属のポールが、こうしたインテリジェントなデバイスに勝てる要素はどこにもない。