大手就職コミュニティやSNS上には、成績証明書の提出を巡る当事者たちの悲喜こもごもが生々しく投稿されています。
「最終選考を控えた前日の夜に成績証明書の持参を命じられ、コンビニ発行サービスのおかげで命拾いした」というデジタル化の恩恵を語る声がある一方、「コンビニでプリントアウトした用紙を持参したら、企業の年配人事から『厳封されていない紙切れは受け取れない』と差し戻された」という現場の温度差を訴える体験談も見受けられます。
実際に主要業界の人事担当者たちに取材を行うと、評価のリアルな力点が浮き彫りになります。ITメガベンチャーの採用責任者は次のように語っています。
「私たちはGPAの数値を上から順に並べて足切りするような機械的な評価は行っていません。見ているのは『逃げの履修』をしていないかです。楽に単位が取れる教養科目ばかりで高得点を稼いでいる学生よりも、難解な専門科目に果敢に挑んでBやC判定を取っている学生の方に、挑戦心と業務適性を感じます」
また、製造業大手の採用担当者は「指定期日に書類を不備なく揃えられるかという基礎的なビジネス基礎力を見ている。厳封指定を守れない応募者は、入社後の機密保持や顧客向け契約書の取り扱いでも事故を起こす確率が高いと判断せざるを得ない」と明かします。書類の数字以上に、指定された提出手続きを几帳面かつ迅速に完遂できるかという行動特性そのものが試されているのです。