晩年の彼を捉えた映像作品やドキュメンタリーでは、かつての独裁者とは異なる素顔が切り取られている。カメラが捉えたのは、愛犬を溺愛し、身内には情に厚く、どこか寂しげな一人の老人の姿だった。
関係者の口から明かされた独占秘話によれば、彼は若手選手への資金援助を自腹で行うなど、義理人情を重んじる昭和の親分肌な一面も持っていたという。絶対的悪として叩かれた男の裏にあった、複雑な人間的魅力と脆さ。冷酷な独裁者と情に厚い好々爺。二つの顔が同居していたことこそが、彼という人間を解き明かす最大の鍵なのかもしれない。