明治維新後、廃刀令や武士階級の解体によって多くの古流剣術が存続の危機に瀕しました。しかし、神道無念流は形骸化することなく、近代剣道成立の屋台骨となります。
練兵館の高弟であった渡辺昇は、明治政府の警察組織や大日本武徳会において剣道の近代化を主導しました。さらに、昭和の大剣豪と称された中山博道(有信館)は、神道無念流と居合(夢想神伝流)を極め、現代剣道の全日本高段者稽古の基礎を形作りました。
現在でも、日本古武道協会に加盟する保存会や、栃木県・群馬県・東京都などの直系道場において、伝承された木刀による形稽古や立居合が厳格に継承されています。派手なスポーツ性とは対極にある、真剣の重みを感じさせる摺り足、鋭い眼光、無駄のない斬撃は、いまなお見る者を圧倒する凄味を放っています。