日常的なストレス過食にとどまらず、背景に医療機関での治療が必要な疾患が潜んでいるケースも存在します。単なる食べ過ぎと病的な摂食障害の境界線を見極める客観的な知識が求められます。
国際的な診断基準(DSM-5)におけるむちゃ食い障害(Binge Eating Disorder)の診断基準では、以下の項目のうち3つ以上が該当し、定期的に繰り返される状態を臨床的な過食と定義しています。
- 通常よりもはるかに速いスピードで大量に食べる
- 苦しいほど満腹になるまで食べ続けてしまう
- 身体的に空腹を感じていないのに大量の食べ物を摂取する
- 自分がどれほど食べているか恥ずかしいため、一人で食べる
- 食べた後に自分自身に対する嫌悪感、抑うつ気分、強い罪悪感に苛まれる
これらのエピソードが「週に1回以上、3か月間にわたって継続」している場合は、心療内科や精神科での専門的な診断・カウンセリングが推奨されます。甲状腺機能亢進症や糖尿病の初期症状、クッシング症候群といった内分泌系の疾患が異常な食欲の引き金になっている場合もあるため、身体症状が伴う場合は内科の受診も視野に入れる必要があります。