こうした潮流は、日本の食文化を支える巨大市場にも大きな地殻変動をもたらしている。伝統的な食品・調味料産業において、酢は長らく「酸っぱい脇役」にとどまっていた。しかし今、その評価は完全に引っくり返りつつある。
業界大手の株式会社ミツカンをはじめとする主要メーカーは、従来の穀物酢に加えてリンゴ酢関連商品のラインナップを急速に拡充。フルーティーでツンとこないマイルドな味わいが受けて、調理用調味料としての出荷数量が過去最高水準を更新し続けている。消費者が単なる健康ドリンクではなく「料理を美味しくする万能調味料」としてリンゴ酢を再評価した結果と言えるだろう。