『瞬き』の冒頭で歌われる一節、「幸せとは星が降る夜と眩しい朝が 繰り返すものじゃなく」というフレーズ。検索エンジンでも「幸せとは星が降る夜と 続き」と調べるリスナーが後を絶ちません。このフレーズの秀逸さは、誰もが憧れるロマンチックな情景をあえて一度提示し、それを鮮やかに覆す構成にあります。
星降る夜や眩しい朝といった「非日常の美しさ」や「劇的な幸福感」を否定した直後、清水依与吏が提示する本当の幸福とは、「大切な人に降りかかった雨に傘を差せる事」であり、「受け止める事」です。この鮮烈な対比によって、back number 瞬き 歌詞解釈において最も重要な「幸福とは受動的に訪れるイベントではなく、能動的な献身の姿勢である」というメッセージが立ち現れます。
さらにサビでは「自分の胸の痛みに鈍感になるくらい、相手の痛みを消したい」という感情が吐露されます。自己犠牲というよりは、「大切な人が笑っていることこそが自分の救いになる」という人間の根源的な愛情のあり方を、一切の気取りを排除した平易な言葉で描ききっている点が、リスナーの涙を誘う決定打となっています。