太田捺の名が世界に響き渡ったのは、公益社団法人日本近代五種協会が派遣したワールドカップでの快挙だった。圧倒的なスタミナとレーザーランでの抜群の勝負勘で並み居る年上の強豪を撃破。10代半ばにして世界の頂点に立った彼女の快進撃は、国内の女子スポーツ界にとっても歴史的な瞬間となった。
普段の彼女は、甘いものが好きで愛犬と戯れるごく普通の若い女性だ。しかし一度ユニフォームに身を包めば、フェンシングのエペ剣を握る手元には一切の迷いがない。この過酷な種目で世界の頂点を目指すストイックさと、ふとした瞬間に覗かせる無邪気な素顔。そのコントラストこそが、彼女が多くのメディアから愛される理由だ。