ネット上のQ&Aサイトや古い解説ブログでは、「EUはサマータイム制度を廃止することを決定したため、もうイタリアに夏時間は存在しない」という言説が今なお散見されます。しかし、これは明確な誤情報です。
欧州連合(EU)の欧州議会がサマータイム廃止案を可決したのは2019年のことでした。当初は2021年までの廃止移行を目指していましたが、加盟各国間で「夏時間と冬時間のどちらを標準時として恒久化するか」という利害対立が激化。さらにその直後に発生した感染症危機やエネルギー安全保障問題への対応が最優先された結果、制度変更に関する加盟国間の協議は完全に暗礁に乗り上げました。
欧州委員会関係者の直近の公式記録でも、現行制度を当面の間維持する方針が確認されており、2026年現在も従来通りの年2回の時計切り替えが法的に機能しています。「制度が廃止された」と思い込んで冬時間基準のまま現地へ飛ぶと、移動やアポイントメントに致命的なズレを生じさせる原因となるため、警戒を怠ってはなりません。