2026年、ゲーム内の技術革新は目を見張る域に達した。レースシーンのグラフィックはさらに精緻化され、実際の天候や馬場状態をリニアに再現する物理エンジンが導入されている。だが、ファンを真に熱狂させているのは画面内の映像美だけではない。現実のレース開催と連動した大規模イベントや、JRA(日本中央競馬会)とのコラボレーション企画は年々スケールを増し、競馬場そのものが「ウマ娘の聖地」として機能するようになった。
週末のパドックには、スマホを手にした若者たちが群がる。彼らの目当ては、かつてゲームの中で愛育したウマ娘のモデルとなった競走馬の血を引く、現役の競走馬たちだ。かつてはオジサンの趣味と揶揄されることもあった競馬が、完全に洗練されたポップカルチャーへと昇華した瞬間である。