「痛む場所をかばいながら生活するのがこれほど過酷だとは思わなかった」――これは都内の整形外科や接骨院を訪れる患者の多くが吐露する本音です。編集部が取材した40代〜60代の主婦層や、PC作業に従事するデスクワーカー、さらにはゴルフやテニス愛好者へのヒアリングから、共通する切実な実態が浮き彫りになりました。
SNSや知恵袋などのコミュニティを分析すると、「包丁で硬いカボチャを切ろうとして激痛で包丁を落としそうになった」「雑巾を固く絞ることができない」「赤ちゃんの抱っこで親指を広げるたびに脂汗が出る」といった日常の機能障害が多数報告されています。さらに、スポーツ愛好者の間では「週末のゴルフコンペを休みたくないが、インパクトの瞬間に親指の付け根へ激痛が走り、グリップが握れない」というジレンマを抱える人が後を絶ちません。
医療従事者の証言によれば、初期段階で受診する患者は全体の約3割未満にとどまり、大半が「シップを貼ってごまかしていたが、骨がポコッと出っ張ってきた」「ペットボトルのキャップが自力で開けられなくなってようやく来院した」という進行期の状態で訪れるといいます。親指の付け根は血流が比較的乏しく、日々の生活で使わない瞬間が存在しないため、自然治癒を待つだけでは慢性化しやすいという厳しい現実があります。