デニムコミュニティやネット上には、長年信じ込まれてきた幾つかの「思い込み」が存在します。ここでは現場の職人やデニムデザイナーの視点から、その誤解を正します。
誤解1:「セルビッジ(赤耳)デニムは必ず折り返して見せるべき」
ヴィンテージ愛好家の間では赤耳の露出が定番化していますが、現代のスタイリングにおいて無条件のロールアップは推奨されません。上質なデニムは、裾のチェーンステッチによって生まれる「ウネ状の色落ち(パッカリング)」こそが最大の醍醐味です。常にロールアップしたまま穿き続けると、折り返し部分に摩擦が集中して生地が破断したり、美しいアタリが途切れてしまうデメリットがあります。全体のトーンをドレッシーにまとめたい日は、あえてロールアップせず、パッカリングの陰影を活かしたジャスト丈で穿くのが上級者の選択です。
誤解2:「低身長はロールアップするとさらに背が低く見える」
「低身長だからロールアップは諦めている」という声を耳にしますが、これも明確な誤解です。問題はロールアップそのものではなく「重心の位置」にあります。クロップド丈(くるぶしが見える丈)まで折り返し、トップスをショート丈にするかインして視線を上半身(胸元や首回り)に誘導すれば、むしろ足首の抜け感によって驚くほどスタイルアップして見せることが可能です。