ネット上の掲示板などでは「レッツサーチフォートゥモローは元気いっぱいに声を出せばウケが良い」という言説が散見されますが、これは審査基準を誤解した典型例です。コンクール審査員を務める声楽家や教育大学教授が注視しているのは、音量ではなく「言葉の子音の明瞭さ」と「ダイナミクスの起伏」です。
アップテンポな楽曲だからこそ、フォルテ(強く)の場面だけでなく、メゾピアノ(やや弱く)やピアニッシモ(非常に弱く)で静かに未来を見つめるような陰影のコントロールが不可欠となります。終始全力の100%で怒鳴るように歌い続ければ、審査シートには容赦なく「平坦な演奏」「和声の濁り」と書き込まれることになります。静けさの中に緊張感を宿らせ、サビの転調で一気にエネルギーを解放するコントラストこそが、聴衆と審査員の心を揺さぶるのです。