長らく日本国内で「日陰の存在」としてタブー視されがちだった春画の評価を根本から覆したのは、海外からの熱狂的なまなざしでした。古くはピカソやロダン、ロートレックが春画の構図や線描に魅了され、自身の創作のインスピレーション源としてコレクションしていた史実は有名です。
決定打となったのは、2013年にロンドンの大英博物館で開催された「Shunga: sex and pleasure in Japanese art」展です。約9万人もの来場者を記録し、主要メディアがこぞって絶賛したこの展覧会は、春画を「人類の性文化史における最高水準の芸術」として世界に知らしめました。
この歴史的な成功を受けて、2015年には東京の永青文庫で日本初の大規模な春画展が実現し、入場制限がかかるほどの大反響を呼びました。現代において春画は、江戸の高度な木版印刷技術、卓越したデザインセンス、そして成熟した庶民文化を象徴する第一級の歴史資料・美術品として、国内外の美術館や研究者から極めて高い学術的価値を認められています。