「二日酔いで頭や胃が痛い」という話はよく耳にしますが、筋肉の痛みを酒席の代償として深刻に捉える人は意外なほど少数派です。しかし、飲酒後の筋肉痛の原因を掘り下げると、単なる疲労や打撲とは根本的に性質が異なることがわかります。
医学的にはアルコール性ミオパチーに分類され、普段から大量飲酒を続けることで筋肉が萎縮していく「慢性」と、短時間の過度な飲酒によって筋肉細胞が破壊される「急性」の2種類が存在します。急性アルコール筋症の場合、運動をした覚えが全くないにもかかわらず、太ももやふくらはぎ、上腕、背部などの大きな筋肉にズキズキとした激痛や腫れ、脱力感が生じるのが特徴です。
「寝ていれば治る」と自己判断して無理に動こうとすると、筋繊維の破壊がさらに拡大する危険があります。二日酔いの頭痛や吐き気の陰に隠れがちですが、身体の重い怠さや筋肉のこわばりを感じたら、まずは自分の筋組織に異変が起きている可能性を疑う視点が欠かせません。