東アジアの複雑な地政学リスクを抱えつつも、両国の経済的利害は水面下で複雑に交錯している。中国の習近平指導部が自国国民の海外旅行制限を段階的に解禁し、中国国家移民管理局が進める出入国手続きのデジタル化・効率化策を背景に、渡航のハードルは着実に下がってきた。
これに対し、尹錫悦政権下の韓国政府も経済活性化のエンジンとして中国人需要の取り込みに傾注する。外交的な緊張関係が報じられる一方で、実務レベルの経済・観光政策においては、官民を挙げた柔軟な受け入れ姿勢が維持されている。政治的対立と経済的依存という二面性の中で、観光交流は両国関係の冷え込みを防ぐ数少ない緩衝材として機能しているのが実情だ。