日常の給仕とは異なり、親族や住職が一堂に会する節目ではより厳格なマナーが求められます。特に問い合わせが集中するのが四十九日法要における仏花のマナーです。
浄土真宗には他宗派にある「亡くなった霊が四十九日間さまよう」という概念はありません。即座に極楽浄土に生まれ変わっているため、本来であれば亡くなった直後から華やかな五色の花を飾っても教義上の矛盾はありません。しかし、日本の冠婚葬祭の歴史的慣習および「遺族の深い悲しみに寄り添う」という配慮から、四十九日の法要が終わるまでは「白上がり(白一色の花)」、あるいは淡い黄色や青をわずかに交えた控えめな配色にするのが礼儀として定着しています。
四十九日法要が終わると「忌明け」となり、仏壇の扉を本格的に開いて、季節の鮮やかな色彩(白・黄・紫・赤・ピンクなど)の花々で仏壇を照らします。
また、仏花を生ける際の構造にも美しいバランスの黄金比があります。生け花の世界では「真(しん)・副(そえ)・控(ひかえ)」と呼ばれる三つの骨組みを意識します。
- 真(中心):最も背が高くまっすぐ伸びる花。キクやユリ(蕾)、ケイトウなどを中心軸に据えます。
- 副(左右の広がり):真の高さの約70〜80%程度。左右に程よく広がりを持たせ、奥行きを作ります。
- 控(手前・足元):花立の口元を隠すように小輪のカーネーションや小菊、グリーン(ヒサカキなど)を配置します。
花束全体の高さは「花立の高さの約1.5倍」に収めると、仏壇の中で本尊(阿弥陀如来の掛け軸や仏像)を隠してしまうことなく、最も品格ある佇まいが完成します。