葬儀マナーには、時代の移り変わりとともに変化した慣習と、今なお根強く残る禁忌が存在します。ネット上の古い情報や誤解に惑わされないための要点を整理しました。
誤解1:「お通夜に喪服を着て行くと『死を予期していた』と失礼になる?」
かつては「急ぎ駆けつけた」ことを示すために平服(地味なダークスーツ等)が推奨された時代もありましたが、現代ではお通夜でも準喪服(ブラックフォーマル)の着用が標準となっています。あらかじめ訃報の案内を受けて参列する以上、準喪服を着ることが最も礼儀正しい装いとみなされます。ただし、仕事先から直接駆けつける場合に限り、濃紺やチャコールグレーのダークスーツに黒ネクタイを締めるスタイルでも失礼にはあたりません。
誤解2:「通夜と告別式の両方行くなら、香典も2回包むべき?」
これは重大なマナー違反につながる誤解です。香典を2回渡す行為は「不幸が重なる(重なること)」を連想させる忌み事とされています。両方に参列する場合は、最初に出席したお通夜で香典を受付に渡し、翌日の告別式では受付で「昨日お通夜で香典をお渡ししております」と伝えて記帳のみを行うのが正しい作法です。
香典の金額相場と袱紗(ふくさ)の作法
香典の金額相場は、故人との関係性やご自身の年齢によって変動します。
- 両親:5万〜10万円
- 兄弟・姉妹:3万〜5万円
- 祖父母・叔父叔母・親戚:1万〜3万円
- 職場の同僚・上司・友人:5,000円〜1万円
- 知人・近隣住民:3,000円〜5,000円
香典袋はむき出しで持参せず、必ず黒・濃紫・紺などの寒色系の袱紗(ふくさ)に包んで持参します。受付で渡す直前に袱紗から取り出し、相手から表書きの名前が読める向きにして両手で手渡します。