医療現場の取材を通じて見えてくるのは、医療用漢方製剤に対する「根拠のない安心感」と「ネット情報の鵜呑み」が引き起こすリスクです。
最大の盲点は、喉の異物感をすべてヒステリー球(梅核気)と決めつけてしまう危険性です。咽喉頭のつかえ感の背景には、甲状腺腫瘍、下咽頭がん、食道がん、あるいは好酸球性食道炎といった器質的な病変が潜んでいることがあります。「ツムラ16を飲んでいればそのうち治るだろう」と自己判断で放置し、専門医(耳鼻咽喉科や消化器内科)の内視鏡検査を受けないまま重大な疾患の発見が遅れる事例が後を絶ちません。
また、昨今増えている個人輸入代行やフリマアプリ等での医療用医薬品の不正売買も重大な懸念材料です。ツムラ16は医師の診断に基づき保険適用で処方されるべき医薬品であり、他人の余剰薬を譲り受けたり、不透明なルートで入手して自己判断で服用することは極めて危険です。副作用が生じた際、公的な「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる点も周知されるべき事実です。