「一生懸命ツボを押しているのに、鼻づまりも頭痛も一向に良くならない」という場合、セルフケアの限界を超えた器質的・病理学的な要因が潜んでいます。効果が出ない主な理由は以下の3点に集約されます。
1. 鼻茸(鼻ポリープ)や鼻中隔弯曲症による物理的閉塞
慢性副鼻腔炎が長期化すると、炎症を起こした粘膜がキノコ状に増殖した「鼻茸(鼻ポリープ)」が形成されることがあります。また、鼻の仕切りが極端に曲がっている「鼻中隔弯曲症」を併発している場合、神経反射で粘膜の腫れをいくら引かせても、物理的な狭窄があるため空気の通り道は確保できません。これらは外科的なアプローチが必要な状態です。
2. 好酸球性副鼻腔炎(指定難病)などの難治性病態
近年増加している「好酸球性副鼻腔炎」は、アレルギー性の白血球(好酸球)が副鼻腔粘膜に過剰に集積する難治性の疾患です。においが全く分からなくなる嗅覚障害や、ニカワ状の極めて粘り気の強い鼻水が特徴で、一般的なツボ刺激や抗生物質では改善が極めて困難です。専門医による分子標的薬やステロイド治療が必須となります。
3. 急性細菌感染に伴う重度の化膿
高熱を伴う、顔面が赤く腫れ上がる、あるいは目の周囲に激しい痛みがある急性副鼻腔炎のピーク時は、細菌が爆発的に増殖して大量の膿が貯留しています。この状態で強いツボ押しを行うと、かえって炎症を刺激し痛みを増悪させる恐れがあります。