存じ上げる」は尊敬語じゃない?誤用急増の真相と正しい敬語の使い方

存じ上げる」は尊敬語じゃない?誤用急増の真相と正しい敬語の使い方

存じ上げる」は尊敬語じゃない?誤用急増の真相と正しい敬語の使い方に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

「存じ上げる」を使いこなす上で、多くのビジネスパーソンが見落としがちな2つの重大な盲点が存在します。

盲点1:対象が「物事・事実」の場合は「存じ上げる」を使わない

「そのプロジェクトの件は存じ上げております」という表現を耳にすることがありますが、これは厳密には不自然な日本語です。「存じ上げる」の「上げる」は、向かう対象となる「人(人物)」に対する敬意を表す接尾動詞です。

  • 不適切:昨日のプレスリリースの内容は存じ上げております。
  • 自然で正確:昨日のプレスリリースの内容は存じております(あるいは「承知しております」「拝見いたしました」)。
  • 適切:新しいプロジェクトリーダーの佐藤様については、以前より存じ上げております。

このように、「人」を知っているときは「存じ上げる」、「情報・状況」を知っているときは「存じる(存じております)」と使い分けるのが、言葉のプロフェッショナルが実践する水準の作法です。

盲点2:「ご存知になられる」などの二重敬語の罠

相手を過剰に敬おうとするあまり発生するのが二重敬語です。「ご存知」という単語そのものがすでに「知っている」の尊敬語であるため、そこに尊敬の助動詞「〜になられる」を重ねた「ご存知になられる」は明らかな二重敬語となります。

相手の知識を確認したい場合は、「ご存知でしょうか」または「ご存知でいらっしゃいますか」と表現するのがスマートであり、過剰敬語による慇懃無礼(いんぎんぶれい)を避ける鉄則です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。