東京メトロ南北線「東大前駅」を出て本郷通り沿いを歩くと、香ばしい揚げ油と出汁の香りが漂ってきます。文京区本郷・向丘エリアに位置する食堂もり川は、学生街の象徴として長年君臨してきた屈指の名店です。店内へ足を踏み入れると、壁一面に手書きの短冊メニューが並び、どこか懐かしい昭和の温もりが出迎えてくれます。
この店が長年支持され続ける最大の理由は、徹底した「学生ファースト」の精神にあります。知の探求に没頭し、空腹を抱えて暖簾をくぐる若者たちに対し、採算度外視とも思える盛り付けで温かいご飯を提供する姿勢は、創業期から一切揺らいでいません。食堂もり川の定食は、単なる栄養補給の場を超え、研究や学問に追われる学生たちの精神的な安らぎの拠点として機能してきました。
東大OBが卒業後何十年経っても「あの味が恋しい」と本郷へ足を運ぶ光景は日常茶飯事であり、世代を超えた深い愛着がこの空間には息づいています。