歴史ある大規模募金や最新のデジタルファンディングに対しても、近年は市民の間で厳しい検証の目が向けられています。代表的なトピックについて、実際の運用実態を掘り下げます。
自治会トラブルとガバナンス改革に揺れる「赤い羽根共同募金」の実態
戦後間もない1947年に始まった「赤い羽根共同募金(中央共同募金会)」は、地域福祉の向上に多大な貢献を果たしてきた公的性格の強い募金です。しかし近年、SNS等で「町内会や自治会で集金が強制的に割り当てられ、実質的な町内会費の上乗せになっている」「断りにくい同調圧力が苦痛」といった不満の声が表面化しました。
共同募金会側もこうした批判を受け、「募金は個人の自発的意思によるものであり、強制的な目標額の割り当ては行わない」旨のガイドライン通達を全国の地域組織に向けて繰り返し発出しています。また、一部の助成先選定をめぐってネット上で紛糾した使途の透明性に関しても、公式ウェブサイト上のデータベース「はねっと」を通じて、各市町村で集まった募金がどの福祉施設や子ども食堂、障害者支援事業に何円助成されたのかを1円単位で閲覧できるよう情報公開の高度化が進められています。
NPO直接寄付とクラウドファンディングの違い
インターネットを通じた寄付文化が成熟する中、ソーシャルセクターへの資金流入ルートとして定着したのがクラウドファンディングです。しかし、認定NPOへの直接寄付とプラットフォーム経由のクラウドファンディングには、手数料と税務の両面で大きな差があります。
民間のクラウドファンディングサイト(CAMPFIREやREADYFORなど)を利用して支援する場合、集まった資金から約9%〜17%前後が運営会社の手数料および決済手数料として差し引かれます。起案者が手にするのは手数料控除後の資金です。また、リターン(返礼品やサービス)が存在する「購入型クラウドファンディング」は、税制上は単なる「物品売買」とみなされるため、寄付金控除は一切適用されず、支援者側への減税メリットはありません。
一方、団体の公式ウェブサイトから直接クレジットカードや銀行振込で寄付を行う場合、決済手数料は一般に2〜4%程度に抑えられ、資金の大半が団体の活動原資となります。中間マージンを最小限にし、税制優遇も満額受けたいのであれば、クラファンでプロジェクトを知った後であっても、団体の直販窓口や認定NPO専用の寄付ポータルを確認することが合理的です。