「妥協した演技は観客に見せない」——これは安藤美姫が現役時代から貫いてきたポリシーだ。現役を退いてなお、その鋭い感性と表現力は衰えるどころか、成熟味を増している。ショーの現場では、プロデューサーである真壁氏に対して、演出やプログラムの細部に関する提案がストレートにぶつけられることも珍しくない。
イベントを成功させるという共通の目的を持ちながらも、現場の視点と経営・演出の視点とが激突する場面は多々ある。しかし、これこそが舞台の熱量を生み出す源泉だ。互いの専門性と情熱をリスペクトしているからこそ、生半可な企画は淘汰され、真に心揺さぶるステージだけが残るのである。