『水戸黄門』における柘植の飛猿の正体は、伊賀忍者の支流である「柘植(つげ)一族」の忍びです。怪力と俊敏さを兼ね備えた戦闘のエキスパートであり、棒術や体術を駆使して敵の武士集団を圧倒する力技のアクションが持ち味でした。
忍術や諜報活動を中心とする風車の弥七とは異なり、飛猿は前線で肉弾戦を繰り広げる武闘派としての立ち位置を確立していました。柘植の飛猿の設定やモデルには、歴史上の忍者伝承や忍法帖に登場する怪力忍者の要素が巧みに取り入れられており、従来の忍者像を塗り替える豪快なキャラクター造形が施されています。
特筆すべきは、由美かおる演じる「かげろうお銀」との関係性です。同じく柘植の里の出身である二人は、幼少期から苦楽を共にしてきた義理の姉弟のような強い絆で結ばれていました。敵地への潜入工作では抜群の呼吸を見せ、お銀の艶やかな忍術と飛猿のパワフルな突破力が合わさることで、水戸黄門の道中劇にダイナミックな爽快感をもたらしました。