現代のドラマシーンにおいて、脚本家・野木亜紀子の名前はもはや絶対的な信頼の証である。彼女が手がけるサスペンスドラマは、単なる犯人当ての謎解きパズルにとどまらない。警察組織の歪み、ネット社会の集団狂気、司法の限界といった重たい現代社会の病巣を、極上のエンターテインメントの枠組みに見事に落とし込む。
テンポの良い会話で引き込みながら、視聴者が無意識に抱く偏見や欺瞞を鋭利な刃物で切り裂く構成力。一度見始めたら途中で止めることを許さない緊迫感の根底には、徹底的な取材に裏打ちされたリアリズムがある。単なる消費物ではない、時代を記録するジャーナリズムとしてのドラマがそこにある。