羊羹の代名詞とも言える室町時代創業の老舗「とらや(株式会社 虎屋)」。同社の公式カタログや店頭での表記を検証すると、羊羹の助数詞に対する確固たる方針と現代的な配慮が見て取れます。
とらやの伝統的な「竹皮包羊羹」や標準的な「中形羊羹」などの棹物商品は、公式の商品案内や手土産のしおりにおいて「1棹」「2棹」と記載されています。老舗としての格式と和菓子文化の伝承を重んじる観点から、文書や商品仕様では「棹」が原則です。一方で、店頭カウンターでの接客時には、利用客が「1本ください」と注文しても決して訂正することなく、「中形羊羹を1本でございますね」と自然に寄り添う接遇マナーが徹底されています。
また、現代の手土産として大ヒットしている「小形羊羹(ひとくち羊羹)」については数え方が異なります。小形羊羹は切らずにそのまま食べられる形状であるため、公式オンラインショップや商品箱でも「1本」「5本入」「10本入」と、助数詞に「本」を採用しています。棹物羊羹には「棹」、個包装のスティック型には「本」を使い分けるのが、老舗銘店における統一ルールです。