日常的に「豆の木」の愛称で親しまれているこのモニュメントですが、実は「豆の木」は正式な作品名ではありません。案内プレートにも記されている正式名称は『行きかう・緑のまち』です。
この作品は、東京藝術大学出身の彫刻家・柴田善二氏によって手掛けられ、1982年(昭和57年)の東北・上越新幹線開業(大宮駅暫定開業)に合わせて建立されました。当時、首都圏の新たな鉄道結節点として急速な発展を遂げようとしていた大宮市(現・さいたま市)の未来と、童話『ジャックと豆の木』に登場する巨木のように天高く伸びゆく生命力を重ね合わせ、人々の交流と都市の繁栄を祈念して制作された経緯があります。
有機的になめらかな曲線を描くステンレスパイプの構造体は、単なる待ち合わせ用の目印を超え、昭和から平成、令和へと移り変わる大宮の都市史を静かに見守り続けてきた貴重なパブリックアートでもあります。