「農薬を使わないこと自体は、もはやスタート地点に過ぎません」。都内で話題のサステナブルフレンチのオーナーシェフはそう語る。今、業界を牽引する店舗がこぞって導入しているのが、「リジェネラティブ・アグリカルチャー(環境再生型農業)」で作られた食材だ。
単に化学物質を排除するだけでなく、土壌中の微生物多様性を高め、大気中の炭素を土に閉じ晴れさせる。そうした農法で育てられた野菜は、驚くほど味が濃い。根菜を一口かじれば、大地の水分とミネラルが口いっぱいに弾ける。客が求めるのは、概念としての安心ではなく、舌を突き刺すような純粋な生命力なのだ。