キャプテンとして、そして大黒柱としてコート上のすべてを仕切っていた古賀紗理那。彼女の引退によって生じた大きな穴をどう埋めるのか、日本バレーボール協会内部でも議論が白熱した。単に得点源を失うだけでなく、ディフェンスラインの統制やメンタル面での精神的支柱を誰が引き継ぐのかという難題が突きつけられたからだ。
協会スタッフが着目したのは、声で引っ張る従来型のリーダーシップではなく、コート上のパフォーマンスと高い守備意識で背中を見せる新たな統率スタイルだった。古賀が長年培ってきた「全員で拾い、最速で切り返す」トータルバレーのイズムは、若手選手たちの胸に深く刻み込まれており、新陣容におけるリーダーシップの分散と深化をもたらしている。