「夜風に当てておけば朝にはカラッと乾いているはず」という思い込みには、物理的な罠があります。洗濯物が夜干しで乾かない理由は、気温と飽和水蒸気量の関係にあります。
洗濯物が乾くためには、水分を蒸発させる熱源と、蒸発した水分を受け入れる空気の乾燥状態が必要です。日中は太陽熱と低い湿度によってスムーズに乾燥が進みますが、日没後は急激に気温が低下します。気温が下がると空気が抱え込める水分の限界量(飽和水蒸気量)が一気に下がり、相対湿度は80〜90%以上に達することも珍しくありません。
湿度飽和状態の屋外では衣類からの水分蒸発がほぼストップします。結果として朝まで湿った状態が5時間以上も継続することになり、繊維の奥で雑菌が急増するタイムリミット(約5時間)を容易に突破してしまいます。