犯罪心理学の視点からも、居留守のリスクは明白だ。犯罪者は捕まるリスクを最も恐れるため、基本的には人がいない家を狙う。警察の統計や各種防犯調査データによれば、住宅侵入窃盗の着手前に「インターホンを鳴らして不在を確認した」と回答する容疑者の割合は極めて高い。
インターホンに応答がない場合、犯人は次の段階に移る。電気メーターの回転を確認したり、ベランダの洗濯物をチェックしたり、あるいは直接鍵を壊して侵入を試みる。ここで居留守を使っていた場合、住人は室内で犯人がドアや窓を破って入ってくるのを恐怖の中で待つしかなくなる。
「居留守を使っていればそのうち立ち去るだろう」という甘い期待は、現代の凶悪犯罪の前では全く通用しない。無応答という行動自体が、犯行の実行を決断させる最大のシグナルとなってしまうのだ。