クライマックスシリーズを観戦するうえで避けて通れないのが、ペナントレースとは異なる数々の「特別ルール」です。なかでも勝敗を大きく左右するのが「CSアドバンテージのルール」です。
ファイナルステージに臨むリーグ優勝球団には、試合開始前の時点であらかじめ1勝のアドバンテージが無条件で与えられます。したがって、1位球団は実質「3勝」を挙げればステージ突破となりますが、勝ち上がってきた2位または3位の球団は「4勝」をもぎ取らなければなりません。加えて、全6試合がすべて1位球団の本拠地で開催されるため、移動の疲労がなく、大声援に包まれるホームアドバンテージも享受できます。
見落とされがちなのが「引き分け時の勝敗決定方法」です。クライマックスシリーズでは引き分けが発生した場合、再試合は行われません。各ステージ終了時点で勝数が並んだ場合は、シーズン上位球団が勝者(勝ち抜け)となります。
たとえばファイナルステージで、1位チームがアドバンテージの1勝を含めて「3勝3敗1引き分け」で全日程を終えたとします。一見タイスコアに見えますが、上位球団優先ルールが発動するため、1位チームの日本シリーズ進出が決まります。つまり、1位球団にとっては「引き分け=実質的な勝ちに等しい価値」を持つのです。
さらに、予告先発と延長戦の特別ルールもポストシーズンならではの緊張感を生み出しています。セ・パ両リーグともに予告先発制度が完全適用され、監督同士の緻密なローテーション駆け引きが繰り広げられます。延長戦に関しては、レギュラーシーズン同様に原則として延長12回まで(引き分けの場合は規定終了)。12回を戦って同点の場合はそのまま引き分けとなるため、終盤の継投策では「勝つための交代」だけでなく「上位チームが引き分けに持ち込むための逃げ切り」という極めて戦略的なタクトが振るわれます。