ラベンダーの聖地として世界的な知名度を誇る中富良野町。その観光の歴史を切り拓いた立役者といえば、ファーム富田の創業者・富田忠雄氏だ。一面に広がる紫の絨毯が昭和の終わりに脚光を浴びて以来、この地は北海道を代表する景勝地へと駆け上がった。その世界的花畑のすぐ隣に寄り添うように誕生し、果実の魅力で新たな人の流れを生み出したのが、とみたメロンハウスである。
両者は隣接していながら別組織として運営されているが、訪れる観光客にとっては互いが最高の目的地だ。紫のラベンダー畑を散策した直後、徒歩わずか数分で完熟メロンの甘い香りに包まれる導線は、まさに旅行者の理想を形にしたもの。単なる農産物の販売所にとどまらず、景観と食を一体化させた体験型の観光農園として、富良野エリアの魅力を何倍にも引き上げている。