朝乃山が処分を受ける引き金となったのは、2021年5月に週刊誌『週刊文春』が報じた「新型コロナウイルス感染対策ガイドライン違反の接待を伴う飲食店(キャバクラ)通い」でした。
当時は日本全国に緊急事態宣言が発令されており、大相撲夏場所の開催期間中でした。日本相撲協会は力士や関係者の感染予防のため、不要不急の外出を厳格に禁止する規定を定めていました。万が一にも本場所中にクラスターが発生すれば、興行の中止はおろか伝統ある大相撲の社会活動そのものが危機に瀕するという極度の緊張状態にありました。
そうした厳戒態勢のなか、看板力士である大関・朝乃山は場所前および場所中に東京都内のキャバクラを複数回訪れていた事実が明るみに出ました。報道各社の取材資料によると、知人関係者に誘われて深夜まで飲食を共にしていたことが確認されています。当時の大相撲ファンや世間からは「自覚に欠ける行動」「医療従事者や外出自粛を守る国民感情を無視した行為」として、猛烈な批判が集まる事態となりました。