日本のアニメーション産業において、作品のIP(知的財産)を活用したビジネスモデルは多岐にわたる。しかし、株式会社スタジオジブリが選択した道は、徹底した「量の制限」と「質の追求」だった。商業的な大型テーマパークのように大量の観客を収容して利益を最大化する手法を退け、1日の入場者数を厳密に制限する運用を維持し続けている。
この独自の観光・美術館事業モデルは、国内外の文化施設から極めて高い評価を受けている。グッズの大量生産や手軽なコラボレーションに頼るのではなく、現地でしか手に入らない限定書籍や絵本、上質な工芸品を取り揃えることで、ブランド価値を損なうことなく持続可能な運営を実現した。作品の世界観を消費させるのではなく、体験として心に刻む文化的な場を守り抜く姿勢は、現代のクリエイティブ産業における異彩の成功例と言える。