斎藤一のトレードマークである「牙突(がとつ)」。刀を水平に構え、左足を踏み込んで超高速の平突きを繰り出すこの技は、物理法則を超えた破壊力を誇ります。基本となる一番型(前方への平突き)に加え、対空用の二番型、近接ブラインド用の三番型、そして足場のない状態から上半身のバネのみで放つ奥義・零式が存在します。
技のモデルとなったのは、実在の斎藤一が得意としたとされる「左片手一本突き」です。新選組の剣術指南役を務めた斎藤が、実戦で猛威を振るった突き技を漫画的ダイナミズムで昇華させたものが牙突でした。
作中における強さの比較においても、斎藤は紛れもなくトップクラス(特筆すべきSランク級)に位置付けられています。剣心と互角に打ち合い、十本刀の重鎮・魚沼宇水の一瞬の隙を突いて零式で上半身を両断した戦闘力は圧巻の一言。志々雄真実の頭突きや奇襲にも耐えうる驚異的なタフネスと、相手の心理を冷徹に読み切る戦術眼を兼ね備えており、「精神的・肉体的な隙が最も少ない剣客」と評価されています。