劇中で発生する事件の規模は、一般的な推理物の枠組みを遥かに凌駕しています。初期の劇場版『時計じかけの摩天楼』における鉄道網や超高層ビルの爆破から始まり、近年では国際空港、サミット会場、超巨大海洋施設に至るまで、攻撃対象は国家級インフラへとシフトしてきました。
シリーズ全体の建造物被害、インフラ復旧費、周辺への営業補償、航空機・船舶の喪失などを現実の建設単価や資産価値に照らし合わせて積み上げると、その累計被害総額は控えめに見積もっても3兆円から5兆円以上、間接的な経済損失を含めれば10兆円超に達する計算になります。
日本の防衛費や中規模国家の一般会計歳出にも匹敵するこの天文学的数字は、まさにフィクションならではのダイナミズムであり、観客を惹きつけてやまないカタルシスの源泉となっています。