利用者の間で現在も賛否両論を巻き起こしているのが、スーパーはくと全席指定化の真相です。JR西日本は近畿圏を発着する在来線特急(「サンダーバード」「しらさぎ」「くろしお」「こうのとり」など)の全席指定席化を段階的に推し進め、スーパーはくとに関しても自由席が完全に撤廃されました。
公式発表や鉄道アナリストの指摘によると、全席指定化の主たる狙いは「車内改札業務の省力化」「着席需要の事前可視化」、そして「ネット予約サービス(e5489)への移行促進」にあります。自由席特急券で乗車した乗客に対して車掌が検札を行うコストを削り、乗客側には「並ばなくても確実に座れる」という付加価値を提供するという名目です。
しかし、利用者の実利という観点ではスーパーはくと料金指定席のコスト増が避けられません。大阪~鳥取間を利用する場合、従来の自由席特急料金に対して指定席特急料金が適用されるため、実質的に数百円の値上げとなりました。加えて、スーパーはくとはJR西日本と智頭急行の2社を跨いで運行するため、特急料金と普通運賃の双方が合算される独特の料金計算式が適用されます。
この経済的負担を緩和する唯一の防衛策が、JR西日本のネット予約サービス「e5489」限定で販売されている「チケットレス特急券」です。紙の切符を受け取ることなくスマートフォン上で座席を指定すれば、通常の指定席料金よりも割安で乗車することが可能です。駅窓口の営業時間が短縮されている2026年の鉄道環境下において、窓口に並んで定価の切符を買う行為は、金銭的にも時間的にも大きな損失と言わざるを得ません。