彼女の歩みを振り返る上で外せないのが、激動のアイドル時代と、その後の実力派女優への劇的な脱皮です。1989年、フジテレビのバラエティ番組『パラダイスGoGo!!』内の乙女塾から結成された3人組アイドルユニットribbonのリーダーとしてデビュー。当時は抜群の歌唱力と愛くるしい笑顔で熱狂的な支持を集めました。
しかし、1990年代中盤にグループが活動休止を迎えると、永作は「元アイドル」という看板に甘んじることなく、小劇場の舞台へと足を踏み入れます。泥臭い稽古を重ね、自らの演技論を徹底的に解体・再構築していきました。
その努力が結実した決定打が、2011年公開の映画『八日目の蝉』です。乳児を誘拐し、自らの娘として逃亡生活を送りながら育てる主人公・野々宮希子役を熱演。血のつながらない母子の切なくも強固な愛を全身全霊で体現し、第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめとする名だたる映画賞を総なめにしました。
さらに記憶に新しいのが、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(2022〜2023年)で見せたヒロインの母・岩倉めぐみ役です。五島列島と東大阪の狭間で葛藤しながら、家族と町工場を守り抜く芯の強い女性像を好演。若き日の危うさと、酸いも甘いも噛み分けた大人の母性をシームレスに演じ分ける力量は、日本中の視聴者の胸を打ちました。