NBAファイナルでのセルティックス対マーベリックスをはじめ、両雄の激突において勝敗の分水嶺となったのは、ボストンが敷いた徹底的なディフェンス戦略と、コートを広く使うオフェンス設計の完成度にありました。
マーベリックスの最大の武器は、ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングの卓越したピック&ロールから生まれる「ロブパス(アリウープ)」と「コーナーからのオープン3ポイントシュート」です。しかし、セルティックス首脳陣はこれに対し、あえてドンチッチに対してヘルプディフェンスを送らず、1対1で守り切るという極めて冷徹なゲームプランを実行しました。
ジュルー・ホリデーやデリック・ホワイト、ジェイレン・ブラウンといった屈強なペリメーターディフェンダーがドンチッチに過剰なダブルチームを仕掛けないことで、ダラスのロールプレイヤー(ダニエル・ギャフォードやデレック・ライブリー2世)へのパスルートを完全に遮断。結果として、ドンチッチに得点を許しつつも、マーベリックスのチームアシスト数を大幅に減少させることに成功しました。
一方のオフェンス面では、5人全員が3ポイントシュートを沈められる「5アウト」を展開。ダラスのインサイド陣をペイントエリアから引きずり出し、ドライブ&キックから高確率のアウトサイドシュートを浴びせ続けることで、試合の主導権を完全に掌握しました。