愛川ゆず季を語る上で欠かせないのが、2010年10月から2013年4月までの女子プロレス「スターダム(STARDOM)」での激闘の歴史です。グラビアアイドルとしての絶頂期にプロレス参戦を表明した当初、世間やプロレスファンからは「客寄せパンダ」「ただの売名行為」と激しい色眼鏡で見られていました。
しかし、風香GMや高橋奈苗(現・高橋奈七永)らの厳しい指導のもと、彼女は持ち前の負けん気と驚異的な身体能力を開花させます。得意技の「ゆずポンキック」をはじめとする鋭い蹴り技を武器に、初代ワンダー・オブ・スターダム王座を獲得。女子プロレス界を牽引する絶対的エースへと登りつめました。
そんな彼女が2013年4月29日の両国国技館大会をもって電撃引退を決断した理由には、明確な「肉体的限界」と「美学」が存在していました。
手記や当時の記者会見で語られた通り、20代後半から始めた激しい受身により、頸椎や首回りへの負担は限界に達していました。これ以上続ければ日常生活に支障をきたす恐れがあったこと、そして旗揚げ当初の目標であった両国国技館進出を達成したことで、「スターダムのエースとしての役目を全うした」と判断したことが引退の決定打となりました。